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●安心ご飯のための基礎知識

口から入った食べ物は、食道、胃、小腸、大腸の順に消化管を通過しながら分解吸収されます。
これは人もワンちゃんも同じですが、雑食性と肉食性という食性は違います。
現在は何でも食べる雑食性のようになっているワンちゃんですが、祖先は肉食性のオオカミなのです。
体も肉食のほうが消化吸収しやすいようにできており、雑食性である人と同じような食べ物を与えると、ワンちゃんにとって負担になることがあるのです。
・唾液は物を飲み込むために
人と大きく異なっている特徴は、ワンちゃんの唾液にはアミラーゼという消化酵素がほとんど存在しません。
アミラーゼには穀物やいも類などに含まれるでん粉を分解する働きがあり、私たち人は噛めば噛むほどごはんが甘く感じられるのはこのアミラーゼのおかげです。
犬の祖先たちはゆっくり咀嚼していたらほかの動物に襲われますから、アミラーゼを必要としませんでした。
・歯やあごは肉を切り製くために
オオカミが生き残るために必要だったのは、食べ物を咀嚼することではなく、大きな肉の塊をなるべく早くかじりとって胃の中に入れることでした。
ワンちゃんの歯は肉を噛み切ったり引き裂いたりするのに向いた形です。
人や雑食・草食動物の奥歯は臼状でものをすりつぶすようにできていますが、ワンちゃんの奥歯はものを挟んで切り裂くハサミのような働きをしてます。
あごの形や筋肉も違います。
ワンちゃんや猫などの肉食動物は、あごが縦にしか動かず、横にスライドさせてものをすりつぶすような動きはできません。
・ワンちゃんの胃はとても丈夫
ワンちゃんの胃はとても丈夫なのです。
「ドライフードをまる飲みするように食べる」ということで心配する声を聞くことがありますが、もともとあまり噛まなくてもきちんと消化されています。
また、拾い食いをしたり少々傷んでいるものを食べても下痢をしたりしないのは、胃液の酸性度が人よりもずっと高いからです。
オオカミもワンちゃんも生き残るためにいろいろなものを食べてきていました。
そのため、胃液の酸性度が高く、少々の菌がいても殺菌できているのです。
・ワンちゃんの腸管は短い
ワンちゃんの小腸や大腸などの腸管の長さ(体長との比率)は、人や草食動物と比べてずっと短いです。
草食動物は不溶性の食物繊維(セルロースなど)の消化の主要なプロセスを腸内微生物に頼っているため、長く大きい消化管が必要ですが、
人やワンちゃんはセルロースを利用しないため腸管が短くなっています。
・ワンちゃんに必要な栄養素、注意が必要な栄養素
ワンちゃんと人とでは食性も動物種も異なります。
そのため、体が必要とする栄養素の種類やその配合などもまったく異なります。
ワンちゃんの食事を考える際は、そうした違いを知っておきましょう。

・たんぱく質
ワンちゃんは人の1.3〜2.8倍(体重1kg当たり)のたんぱく質が必要といわれてます。
炭水化物中心の食事よりたんぱく質中心の食事のほうが理にかなっており、体に負担がかからないと考えれます。
・カルシウム
カルシウムも人以上に必要とされる栄養素のひとつです。
オオカミは骨ごと肉を食べていたため、リンとカルシウムのバランスが崩れることはありませんでしたが、肉だけ与えていると、カルシウムが不足します。
かといってワンちゃんにそのまま骨を与えるのは危険です。
・炭水化物(糖質,食物織維)
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられます。
人の場合、炭水化物をある程度とらないと低血糖になってさまざまな危険な症状があらわれますが、肉食動物のワンちゃんは、糖質を一切とらなくても大丈夫です。
食物織維は便通のためにもとるほうがよいと考えられてます。
・塩分
ワンちゃんの体は、塩分摂取をあまり必要としません。
汗として消費されることもないため、塩分は不要だと言われていますが、それほど過敏になる必要はありません。
健康であれば、少々の塩分であれば尿として排泄されるのです。
しかし、高齢になって塩分を制限する必要が出てくることもあります。
療法食に換えるかは、獣医師の指導に従ったほうがよいでしょう。

●ドッグフードが進化している

最近は、さまざまなドッグフードが販売されてます。
その背景にあるのは「自分の愛犬にもっともいいものを選んで与えたい」という飼い主の思いで、年齢・ライフステージ別、
ライフスタイル別(室内犬かどうかなど)、肥満や疾病別、体の大きさ別などに加え、最近は犬種ごとのドッグフードも出回っているのです。
犬種別フードは、犬種ごとに起こりやすいトラブルを防ぐためにさまざまな工夫があります。
たとえば関節にトラブルが起きやすい犬種用フードには関節にいいといわれている成分を加え、肥満しやすい犬種の場合はカロリーを低めに抑え、ほかの犬種に比べて尿結石が多いというデータがあればミネラル成分を減らしています。
その犬種以外のワンちゃんに食べさせてはいけないとか、トラブルが解消するというわけではありませんが、今後も犬種別フードは増えていく可能性があるのです。

●手をかけた食事が飼い主と愛犬の絆を強める

愛犬のために何かしてあげたい、愛犬の喜ぶ顔が見たい、多くの飼い主がそう思っていると思います。
しかし、何をどうすればよいのかわからない、栄養バランスを崩してしまわないか心配という声も聞かれ全部を手作り食にすれば、栄養が偏ってしまうリスクがあるのです。
かといって、おやつのジャーキーなどを与えすぎると肥満になってしまいそこで、もっとも心配の少ない食事は、ドッグフードを基本に手作り食をトッピングとして作るのです。
パッケージに「総合栄養食」と書かれたドッグフードは、水とそれだけで完全栄養食ですが、そこに何かひと手間を加えたいというときには、
愛犬の1日に必要な栄養所要量のうち1〜2割以内のカロリーで手作りトッピングに置き換えができます。
ただし、1〜2割を超えたトッピンぐにしてしまうと栄養バランスは崩れてしまいますので、与える分量には十分に注意してください。

●愛犬の体調に配慮して食事を工夫する

愛犬の普段の様子を一番よく知っているのは飼い主です。
なんとなく食欲がない、水分不足、ちょっと太ってきた、便秘気味など、体調変化に気づいたら、食事内容をひと工夫しましょう。
夏バテには食事に変化をつけて与えたり、熱中症予防のための水分補給としてスープを与えると、よく飲んでくれるでしょう。
このように毎日、愛犬の体調を観察し続けていると、わずかな変化に敏感になりますので、食事の内容に細かく配慮できるようになっていきます。

●ワンちゃんと人の栄養バランスは大きく異なる

ワンちゃんの体の仕組みが人と異なるため、必要な栄養素も違います。
その点を考慮しないで人と同じメニューを手作り食として与え続けたら、カロリー過多となったり、消化しにくい食材を多く与えすぎたり、ビタミンなどの栄養の過不足で肥満や体調に異変が生じてしまう恐れがあるのです。
愛犬の体は、あなたが与えた食事によって作られ、健康を維持していかなければなりません。
食と健康は密接に関係してます。
何か工夫して、手作り食を与えたいと思ったら、ワンちゃんの理想的な栄養バランスや必要なカロリーについてよく勉強することが大事です。
特に、ワンちゃんに与えると危険な食材もありますから、慎重に扱いましょう。

●愛情と手間を惜しまない

毎日のこととなると大変ですが、健康に配慮した食事を作るためには、愛情だけではなく、栄養知識、手間は必要です。
愛犬のために「お誕生日に特別なごちそうをあげたい」という思いを満たすには、手作り食の良さを最大限に活用しつつ、バランスを崩さないようデメリットを知った上で食事作りを楽しでいきましょう。

●ドッグフードと手作り食のメリットデメリット

ドッグフード
メリット
・手間がかからない。
・完全栄養食なので安心感がある。
・品質がほぼ一定しており、信頼がおける。
・愛犬に合ったフードが選べる。
・買い置きでき、保存がきく。
・持ち運びができる。
・災害時の避難食となる。
デメリット
・計量するだけなので、味気ない。
・食事を与える喜びがない。
・フードを変えることが難しい。
・飽きたり、愛犬が喜ばないこともある。
・アレルギーの場合、対応が難しいことがある。

手作りトッピング
メリット
・愛情をかけた食事を与えられる。
・愛犬が喜び、ドッグフードもよく食べる。
・少量なら栄養バランスを崩しにくい。
デメリット
・多少の手間がかかる。

手作り食
メリット
・愛情のこもった食事を与えられる。
・愛犬の体調に配慮することができる。
・食材が豊富。
・与えたい食品を選ぶことができる。
・避けたい食材を使わずに済む。
デメリット
・栄養バランスを整えるのが大变。
・与えてはいけない食材を避ける必要がある。
・体調が悪化する恐れがある。
・栄養学の知識がないと非常に難しい。

●安心食事のためのチェックポイント4つ

1、愛犬の食事の量を調整して健康維持
パッケージの表示を参考にしてフードの給餌量を決めている人が多いと思いますが、記載されている量はあくまでも目安なのです。
1日に必要な量は、犬種、体重、活動量、生活環境などによって異なりますから、週に一度(少なくとも月に一度)は体重を測り、体重が増えていたら少しドッグフード量を減らす、体重が減っていたら少し足すといった調整をしていきましょう。
ワンちゃんの理想的な体重は、そのワンちゃんが成犬になったときの体重といわれてます。
小型のワンちゃんなら生後9カ月、中型のワンちゃんは生後12カ月、大型のワンちゃんは生後18カ月、超大型のワンちゃんは生後24カ月頃の体重を目安にしましょう。
あるいは獣医師やブリーダーなどの専門家に確認しまましょう。
2、ワンちゃんは味よりにおい中心のレシピに
ワンちゃんの味覚は、人の約1/5程度しかないと言われています。
舌で味を感じるのではなく、においで食べ物を認識し、急いで食べ物をお腹に詰め込まなければ生き残れなかった生活の名残で、味を楽しむようには進化しなかったのです。
そのためワンちゃんの食事はにおいが重要になります。
3、食事に問題がないか体重とウンチでチェック
ドッグフードだけの場合も、手作りトッピングを与えている場合も、その食事の量が適正かどうかを確認することが大切です。
週に一度は体重測定をして記録しておくことがおすすめです。
また、愛犬の便の状態も、食事内容が良かったのか悪かったのか判断材料になるのです。
以前はコロコロした便がいいといわれていましたが、現在はしっとり気味で、取り上げたときにうっすらとあとが付くくらいの便が理想的です。
腸内で乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌がよく働いていると、見た目にゆるい感じになります。
便のにおいは、たんぱく質、とくに動物性たんぱく質をしっかりとると強くにおい、炭水化物が多くなるとにおいはあまりまりません。
室内で飼育しているとにおいが気になります。
一度食事内容と照らし合わせてチェックしましょう。
4、フードの保管方法。
ドライフードは、封を開けた時点から油分が酸化するので、できるだけ小袋で購入し、開封後は一袋を1カ月以内に使い切るのが基本です。
大袋のままでは、毎日開け閉めしているうちに酸化が進み、香りも飛んで、ワンちゃんによっては興味を示さなくななるのです。
大袋で購入した場合は、素早く密閉容器に分けましょう。
そして、ドライフードは、常温で保存するのが正解です。
冷蔵庫で保管すると、出し入れするときに容器内が結露し、フードの品質が落ちて、カビが生じやすくなるのです。
ウエットフードは、開封後1日〜2日のうちに使い切ります。
お皿に出したまま長時間放置せず、食べない場合は、15分程度で片づけます。

●トッピングは全カロリーの1〜2割に抑える

ドッグフードにトッピングを加える場合は、エネルギー要求量の8〜9割を統合栄養食であるドッグフードでまかない、トッピングのカロリーは1〜2割に抑えましょう。
そうでないと1日に必要な栄養が不足することがあります。
成犬になって手作りトッピングを与えている間、下痢や便秘をしていないか、
毛づやが悪くなっていないか、体重の増減はどうかなどをきちんとチェックします。
何か普段と違う、おかしいなと思うようなことがあれぼ、すぐに獣医師に相談しましょう。

●幼犬の基本はドッグフード主体が安全

生後1歳までのもに健全な成長がめには、手作り食をよりも、幼犬用の完全ドッグフードを与えましょうきちんと体が成長しきっていれば、
おやつやトッピングを取り入れても、栄養バランスが多少乱れても心配ないです。

●高齢犬に与えるときの注意点とアドバイス

高齢犬は、消化力も体力も落ちてきていますので、食事ごとに食べた量を必ずチェックすることが大事です。
とくにトッピングを加えたときは、トッピングのところだけ食べてほかの部分を残してしまうと、栄養が偏ります。
トッピングを加えるときは、ただ上に乗せるのではなく、全体をよく混ぜて与えましょう。
高齢犬が痩せてきたり、食欲がない場合には、病気が疑われる場合もあります。
夏バテだろうなどと勝手に判断せず、まずは獣医師に相談しましょう。
高齢犬の場合、歯周病で歯が痛かったり、歯が抜けかけていたりして食事をとれないこともあります。
その場合は、病院で歯周病の治療をしてもらいましょう。

●肥満予防とダイエットには野菜を使ったトッピングを

ドッグフードだけではかわいそうと、もっと愛情をかけてあげたくて、ワンちゃん用ジャーキーやクッキーなどのおやつを与えてしまうことも多いと思いますが、分量が多ければ肥満になってしまいます。
肥満はあらゆる病気の引き金になりますので、高カロリーのおやつをやめて、低カロリーの手作りトッピングにすることがおすすめです。
愛犬の満足度は変わらず、肥満予防にも役立ちます。
愛犬の肥満予防には、家族全員で意思を統一して取り組まないと効果はないのです。
家族のうち一人でもこっそりとおやつをあげていると、いつのまにか体重が増加します。

●与えてはいけないもの

ねぎ類
[主な食品]長ねぎ、たまねぎ、にら、にんにく、らっきょうなど
ねぎ類のアリルプロピルジスルフィドという成分は、赤血球を壊し溶血性貧血を引き起こします。ねぎ類を調理した料理の汁なども含め、決して与えなてはいけません。
キシリトール(甘味料、歯磨き粉)
[主な食品]キシリトール入りガム、歯磨き粉など
キシリトールは、犬の体内に入るとインスリン分泌を促進するため、急に血糖値が下がり意識を失うなど危険な状態となります。ガムなどを拾い食いしないよう注意が必要です。
カカオ、チョコレート、カフェイン入り飲料
[主な食品]チョコレート、カカオ、ココア、コーヒー、紅茶、ほうじ茶、緑茶、コーラなど
カカオやコーヒーなどに含まれるカフェインやテオブロミンなどのキサンチン誘導体には、神経中枢に中毒症状をもたらす恐れがあるので、与えないよう注意しましょう。
串つきの食品
焼き鳥などの串
串や楊枝がついた食べ物は、ワンちゃんの誤飲事故の原因です。串ごと飲み込んでしまうと命にかかわります。緊急開腹手術となる場合があります。

●注意が必要なもの

たこ、いか、甲殻類、貝類
[主な食品]たこ、いか、えびなどの甲殻類、貝類
消化不良を起こしやすく、するめいかなどは胃内で膨張する危険性があります。生ではチアミナーゼという酵素がビタミンBを破壊するため、欠乏症になる恐れがあります。さらに寄生虫が付いていることがあります。塩分が多いことからも食材としては薦められません。
生肉、骨、生卵
[主な食品]生肉(ジビエ含む)、生の鶏骨、生卵の白身
生の豚肉はトキソプラズマ症の感染源となる場合があるので、必ず加熱します。硬く砕ける骨や鶏骨は、鋭い破片で口の中や内臓を傷つけてしまう恐れがあります。生卵の白身は加熱すれば問題はありません。
糖分の多い食品
[主な食品]パン、うどん、ごはん、ケーキ、クッキー、菓子、
アイスなどワンちゃんは人と違い、炭水化物の消化が得意ではありません。ワンちゃんの唾液にはアミラーゼという糖質の消化酵素がありません。しかし、甘味は好むようになるため、たくさん食べると肥満の原因となるので要注意です。
ぶどう・レーズン
[主な食品]ぶどう果実、果汁、レーズン
ぶどうは腎不全になる恐れがあり、多量に食べると下痢やおう吐などの症状が出る恐れがあります。
ナッツ類
[主な食品]ピーナッツ、マカダミアナッツなど
ナッツ類は高脂肪で消化が悪く、とくにマカダミアナッツはワンちゃんには有毒とされています。
ほうれんそう
ほうれんそうは、生では尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれていますが、ゆでれば与えられます。
たけのこ
食物繊維の多いたけのこは消化しにくいです。他にも食物繊維の多い食材も多いが、与え方には注意が必要です。
アボカド
[主な食品]アボカド果実
アボカドにはベルジンという成分が含まれ、多量に食べると下痢やおう吐などの症状が出る恐れがあります。
アルコール
[主な食品】ビール、ワインなど
嘔吐など大きな負担となるので与えてはいけません。。
[主な食品]牛乳
個体差はあるものの、乳糖を分解する消化酵素ラクターゼを持っていない場合、下痢や軟便となります。
塩分・香辛料・調味料
調味料だけでなく、味のついたもの
ワンちゃんは、食材そのものに含まれている自然な塩分(添加していないもの)だけで十分です。
人よりも味覚が1/5と乏しいため、味付けなどは必要としません。市販のたれやソースなどにはたまねぎが入っているものがあるので、与えないように注意しましょう。

※持病のある犬については、与えても良い食材をかかりつけの獣医師に確認しましょう。
※1歳未満の幼犬については、健全な発育・成長を優先すべきなので、総合栄養食であるドッグフードを与えましょう。
成長期が過ぎて成犬の体格になったら、ドッグフードの栄養バランスを崩さない範囲でなら、手作りトッピングやおやつを与えてもよいでしょう。
子犬の頃に、肥満しやすい食品を食べさせたり、偏食の習慣をつけないことが大切です。

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