電話

072-339-4385

メール

info@yorkshire.jp

営業時間

9:00 – 18:00

●災害を想定し、ワンちゃんの命を守る

災害大国日本。地震は大小を含めると日本のいたるところで毎日のように発生しており、津波情報が流れる日も珍しくはないのです。
火山噴火や大雪、竜巻といった自然災害が起こります。
台風やゲリラ豪雨などによる河川の増水、氾濫や土砂崩れにより、各地で被害が生じています。
自然災害に遭遇する割合は、世界の中でも日本は高いのです。
だからこそ災害に対処するために必要な防災が大切で、ワンちゃんとともに暮らす私たちが意識しなければならないのは、愛犬を守るのは飼い主自身ということなのです。
いつ、どこで、どのような状況で、どのような種類の異変に見舞われるかわからないのが災害です。
仕事などで自宅から離れているときに災害にあうのかもしれませんし、災害の状況、あるいはワンちゃんの性質や性格によって、避難場所や避難スタイルも違ってきます。
自宅が無事なら自宅で待機するほうがいい場合もありますし、愛犬と離れざるを得ない場合もあるでしょう。
ワンちゃんと一緒に避難するにしろ、ワンちゃんと離れて生活せざるを得ないにしろ、飼い主にはワンちゃんの健康な命を守る責任があるのです。
いろいろな場面を具体的に想定し、飼い主としてできることはすべて行っておくことが、いざというときに役に立ちます。
災害はけして他人事ではありません。

●どんな形で起きるかわからない災害にどう立ち向かうか

防災を考える上でまず必要なのは、自分に起こりうるさまざまな災害シーンを想像しておくことです。
常日頃から今ここで地震が起きたらどうすればいいのか、夜洪水や土砂災害が起きたら何をすればいいのか、などと考えておけば、いざというときに役立つのです。

●リアルなシミュレーションが行動や備蓄の役に立つ

自分に起こりうる災害をリアルにイメージできれば、防災について、もっと具体的に考えることができるようになります。
たとえば、海辺にいるときに地震が起きて、津波が来るかもしれないと予想できれば、すぐに高いところを目指さなければいけません。
洪水や土砂災害が起きる可能性がある地域に住んでいて、大雨が続いているような場合は、早々に避難する用意を始めるほうがよいでしょう。
人の心理には、何らかの異変が起きていても、それを異常事態だと思わず、心配ないと誤判断する傾向があるのです。
これを「正常化バイアス(正常化の信見)」といいますが、常に災害を意識することで、こうした思い込みからも逃れることができるようになると思います。
災害をリアルにイメージすることで、必要な防災グッズや必要な準備もわかってきます。
大規模災害では、公的な支援が届くまで時間がかかることも予想されますから、最低でも一週間は備蓄で生活できるような準備が必要になります。
また、留守番をしている愛犬の命を守るために、過ごしている部屋の家具の配置を変えるなど安全性を高める必要が出てくるかもしれないでしょう。
必要な防災は、災害の種類や時期・時間、家族の状況などによって異なるため、ひとりひとりが防災への意識を高め、災害への対応力を高めていきましょう。

●愛犬にしてあげたいことは自分で用意する

さまざまな被災地に行って思うのは、救護支援の体制に期待するよりも、飼い主ひとりひとりが自己完結できるくらい防災の力をつけることが大切です。
たとえば、東日本大震災よりも広域な被害が予想されている南海トラフ三連動地震が起きた場合、すぐに支援が始まったとしても、被災地のすみずみにまで支援がいつ届くのかはわかりません。
いつ来るかわからない支援を期待するよりも、自分ができることを今すぐに始めることのほうがよいでしょう。
愛犬のためにしてあげたいと思うことは自分で準備する防災力を持っていることが、自分や家族を守ることにもつながるのです。

●さまざまな避難スタイルを想定しておく

災害時はペットの「同行避難」が原則になっていますが、これは、過去の災害時、飼い主と離れたペットの保護に多大な労力や時間を要したこと、
その間ペットの負傷、衰弱、死亡などの恐れがあること、ペットの放浪や繁殖により住民の安全や環境の悪化も懸念されることなどからとられている考え方なのです。
ただし、いったんはペットとともに避難所などに避難しても、どこでもワンちゃんと一緒にいられるわけではないのです。
そのときどきの状況に合わせて避難スタイルを選択しましょう。
たとえば、自宅が安全であれば自宅で避難生活を送る、テントや車に避難する、愛犬を知人やペットホテル・病院・シェルターなどに預けるなど、いろいろな方法があります。
大切なのは、災害の種類や規模、支援体制、家族構成、愛犬の性格や性質などに合わせて避難スタイルを逐次選んでいくことではないでしょうか。
もちろん、そのためにはしっかりとした準備が必要になります。
こういう状況になったらこうしよう、と普段からシミュレーションをしておけば、必要な手配や準備しておく物がわかります。

●地域やワンちゃん仲間など、コミュニケーションを大切に

地域やワンちゃん仲間などのコミニティーでの助け合いを考えてみましょう。
地域には、小さな子どもや高齢の人など、さまざまな人たちもいて、ペットを飼っている人もいない人もいるのです。
災害時には、このような人たちが一緒に生活するうえで、避難所の秩序を保つために、地域コミニティーの結束力が大切になっていきます。。
避難所での生活のルールなどは、避難所の中での話し合いで決まっていくため、近所の顔見知りや散歩仲間が協力し、問題を解決したり、共同でペット専用飼育スペースを管理していければよいと考えます。
一方、ネット上の単犬種コミニティーなどは、飼い主が住んでいる地域はばらばらですが、その分、被害も分散して散歩仲間とは違った助け合いができるのです。
愛犬と同じ犬種を飼っている仲間なら、愛犬を一時的に預ける仕組みを考えておけば安心できると思います。

●キャンプでテント生活やアウトドアの知識を身につけよう

2016年に起きた熊本地震では、テントで避難生活をする人が大勢いたのです。
テント避難のよさは、被災者のプライバシーが保たれ、リラックスして過ごせること、設営に時間がかからないこと、テントは何度も繰り返し使えることなどです。
愛犬家にとっては、ほかの人に気兼ねすることなく、愛犬と同じ空間にいられるという大きなメリットで、
夏場は熱中症の危険があるなど、季節や天候による注意点はありますが、今後はひとつの避難スタイルとして選択肢の中に含まれるでしょう。
ただし、テント生活をスムーズに送るには、ある程度の経験や知恵がいります。
たとえば、テントの張り方が悪いと雨が入りこみやすくなったり、風で吹き飛ばされやすくなったりすることがあります。
災害時に備え、アウトドア生活の知恵や経験を身につけるためにも、愛犬とともに積極的にキャンプやテント生活を楽しんでみましょう。

●勝手に排泄させず、においの徹底管理を

ワンちゃんとともに避難所で過ごす場合は、最初にトイレの場所を考えます。
自分勝手に決めずに、施設側と十分に話し合いながら決めましょう。
一般常識として、調理や食事、医療行為などを行う場所、人の居住区の近くでの排泄は避けます。
学校の場合は、敷地内で排泄させることを嫌がられることも多くあり、また近くに民家のある場所も日常生活の配慮が必要になります。
ペットシーツの上で排泄させる場合でも、においがしたり排泄中の姿が見えるだけで苦情を言われることがあるのです。
においについては普段よりも気を遣います。
トラブルが多いのは、排泄や散歩に行く途中で気づかずにワンちゃんが勝手に排泄してしまうことです。
飼い主は見ていなかったとしても、愛犬の粗相は飼い主の責任です。
そうした粗相をなくすためには、愛犬から目を離さずに早足で歩かせて、排泄するタイミングを与えないようにしましょう。
小型の犬なら抱っこして連れていくのもよいと思います。
万が一、してはいけないところで粗相してしまった場合は、掃除や消毒をしましょう。
ほかの犬が排泄した痕を見つけた場合も同じです。
自分の愛犬の失敗ではないからと放置すると、「ペットと一緒の避難所は迷惑だ」と苦情が出て、その避難所でのワンちゃんの居場所がなくなってしまうことでしょう。
避難所内でペットを受け入れてもらうために、飼い主が率先して掃除やルール作りなどを行い、愛犬の居場所を支えていきましょう。

●トラブルを防ぐためにはこんな注意や工夫も必要

飼い主は平気でも、ワンちゃんを飼っていない人はにおいやさまざまなことが気になります。
トイレや衛生面でのトラブルを防ぐための注意点や工夫をご紹介しします。
・飼い主の多くはペットシトーツやを処理する袋などを常備していますが、避難生活が長くなると足りなくなる場合があります。
防臭効果のあるビニール袋に入れてしばれば、悪臭をかなり抑えることができますから、普段から十分なストックを用意しておきましょう。
・災害時はゴミの回収が停止するため、排泄物がたまると悪臭はひどくなる一方ですから、処理袋が足りなくなった場合は、一時的に穴を揺って埋めておくなどの対策行ってみましょう。
・租相防止のためには、マナーベルトやサニタリーパンツ、オムツなどを着けるのもよいでしょう。
・粗相してしまった場合は、専用の消毒剤が入手できない場合は、洗濯用やキッチン用の漂白剤を使って、消毒液を作りましょう。
相相した部分にまくか、拭き掃除をすると効果があります。ただし、床材によっては変色する場合もありますから、十分に注意が必要です。
・たくさんのワンちゃんがいつも同じコースを散歩して排泄すると、近隣の人からの苦情も出やすいです。
自分のワンちゃんの排泄物だけを拾うのではなく、ほかのワンちゃんの排泄物やゴミの清掃もしましょう。そうした心がけによって、地域の人の理解も得やすくなるのです。
・ワンちゃんを飼っていない人は、トイレだけでなく、ベットフードのにおい、ペットの体のにおい、抜け毛なども気になります。迷惑をかけていないか、常にきめ細かな配慮をしましょう。

●留守時の災害に備え、住まいの安全を徹底する

災害が起きたとき、常に飼い主が愛犬のそばにいるとは限らないため、愛犬を守るために、日頃から留守番時の安全を確保しておきましょう。
現在の耐震基準を満たしているマンションであれば、マンション自体が地震で崩壊することはほとんど考えられませんが、戸建て住宅の場合は、一度耐震性を確認しましょう。
室内では、「ここなら安全」という家庭用のシェルターを作るようにしてみましょう。
シェルターといっても特別なことではなく、低めの固定した家具だけ置いた室内でワンちゃんが過ごせるようにしたり、柱が多いトイレのドアを留守中は開けたまま固定しておいたりといった工夫でもよいです。
ソファを壁から少し離すだけでもそのすき間がシェルターの働きになります。
ケージに入れて留守番をさせる場合は、ケージの置場が問題です。
家具が倒れるような場所は危険ですし、夏場などは、災害により停電が起きてエアコンが停止すると、熱中症の危険が生じますから直射日光のあたらない場所や風通しがよい場所がよいでしょう。
窓は揺れで開くことがあるので、施錠が必要です。
ガラスが割れる恐れがないか、キャスター付の家具や電化製品は動かないか、背の高い家具は転倒防止策を講じているかなどについても注意しましょう。
屋外で飼っている場合は、外壁や瓦などの落下や倒壊に巻き込まれないよう、係留場所を見直しましょう。

●ハウスの中で静かに待っていられるワンちゃんにする

ハウスの中は安全だと知っているワンちゃんは、災害時もハウスの中で落ち着くことができます。
愛犬がハウスの中で静かに待っていてくれれば、飼い主も安心してワンちゃんのそばを離れられ、いろいろな活動ができるようになります。
毎日の普段使いで、ハウスで過ごせるワンちゃんにしておきましょう。

●排泄のコントロールができるワンちゃんにする

ワンちゃんの好きな場所で勝手に排泄させるのではなく、飼い主の指示のもとで排泄ができるようにしつけておきましょう。
ペットシーツの上でも、土の上でも、どこでも「トイレ」などの合図で排泄できるようにすることがポイントです。
普段からワンちゃんの排泄をコントロールすることで、飼い主も愛犬も避難所で安心して過ごすことができるのです。

●吠えるのを指示でやめられるワンちゃんにする

ワンちゃんにとって、吠えることは自然なこととはいえ、避難所では吠え声は周囲の迷惑になり、飼い主にとっても大きな精神的負担になります。
指示したらすぐに吠えるのをやめられるワンちゃんにしつけておくためには、吠えたら叱るのではなく、「シー」などの指示で吠えるのをやめたらほめて、時々おやつを与えるしつけが効果的です。

●飼い主が愛犬の心を落ち着かせる

飼い主自身のストレスが強いと感じたときは、深呼吸やストレッチをしたり、積極的に会話をして笑うようにしましょう。
こうした行動が心を落ち着かせるのです。
飼い主が落ち着いていれば愛犬も安心します。
愛犬のストレスが強いときは、なでる、散歩する、声をかけておやつを与えるなどしてリラックスさせましょう。

●なでるときに貧血をチェック

愛犬の顔や頭をなでるときは、まぶたの裏の粘膜の色をチェックしましょう。
健康的な桃色なら問題ないが、白っぽい状態が続く場合は「貧血」かも知れません。
とくにぐったりとしていて体力が低下しているような様子が見られたときは、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
普段から、愛犬の顔をなでる際は、目や口周りのチェックをする習慣を持ちましょう。

●脱水に注意

ストレスでは下痢や唱吐が起きやすいが、下痢や嘔吐が続くと脱水が起きやすいのです。
口の中が乾いてくちびるが貼りつくような感じのとき、首の後ろの肩甲骨の部分の皮膚をつかんで持ち上げ、手を離したときにすぐに皮膚が元の状態にならないときは、脱水を起こしている可能性があります。
この様な状態が続くと点滴が必要な場合もあるため、早めに獣医師に診てもらいましょう。

●ストレスが原因で起こる症状に注意

災害時にはストレスによる、震え、下痢、嘔吐、下痢や嘔吐に伴う脱水症状、食欲下などの体調悪化が起きやすいです。
また、体の同じところをなめ続ける、ガジと噛む、飼い主のそばから離れないなどの精神的症状も表れやすいです。
このような様子が見られないか、常にチェックするようにしましょう。

●公的支援が被災地に届くまでには

何日もかかることが多く、災害「の種類・規模によっては、当分の間は、自分で用意した物だけで自分と愛犬の命を守るしかないのです。
消耗品の備えは十分に用意し、ないと困る首輪、リードなどは予備を持っていると安心でしょう。
防災グッズは、一か所にまとめて置いておくのではなく、玄関先(室内)、車の中、屋外の物置、ベランダなどに分けて置いておきましょう。

●避難する

自宅にいるのが危険な場合、選難所まで愛犬を連れていくときは、リュック型のキャリーバッグなら両手が空くので便利になります。
他にもクレート(ケージ)、サークル、大きなワンちゃんは歩いてけがをさせないためにワンちゃん用の靴も用意しましょう。
また、高齢犬を移動させる手段も考えておきます。
災害発生時は、飼い主が必ず愛犬のそばにいるとは限らないのです。
離れ離れになったときのことを考え、愛犬にはマイクロチップを入れ、鑑札・狂犬病予防注射済票、迷子札を必ず首輪やキャリーパッグなどにつけましょう。
登録番号や健康管理記録を書き込み、写真を貼った愛犬手帳も用意しておきましょう。

●生活スペースを確保する

避難所以外のところで暮らす場合には、車やテントという手段のほか、ブルーシート、ロープ、ガムテープがあれば、軒先などに生活スペースを確保することができるのです。

●ワンちゃん用品・首輪とリード

飼い主不在の場合も考えて、普段から愛犬には必ず首輪をつけておき、自宅以外ではリードをつけておくことが必要です。
愛犬が落ち着けるようクレート(ケージ)に大きなタオルなどがあると便利です。

●トイレ

排泄物を処理するビニール袋、トイレシート、ウェットティッシュ、ごみ袋など、不足すると困るものは多めに用意しましょう。消臭スプレー、マナーベルトもあるとよりよいです。

●フード・水・薬

フードと飲み水は、最低でも10日分は用意しましょう。
食器、病気治療中の犬は薬も必ず用意しておきます。

●抜け毛・体臭対策

避難所では、普段以上に抜け毛や体臭に配慮しましょう。ワンちゃん用の洋服、ラシ、粘着シート、消毒液、拭き取りタイプのシャンプーがあるとよりよいです。

●ストレス解消

飼い主と一緒に遊べるおもちゃ、一人遊び用噛むおもちゃ、愛犬がとくに大好きなおやつなども用意しましょう。

●そのほかのお役立ちグッズ

ガムテープ、カッター、ハサミ、マジック、ラップ、アルミホイル、タオルやバスタオルなどは、いろいろなシーンで役に立つので用意しましょう。

Follow Me!