犬や猫は子供の頃から動くものに対して異常なほど興味を示します。肉食動物は獲物を捕えるときの練習を幼少の頃からするため、遊戲本能や追跡本能が発達しているのです。肉食動物が相手を捕えるには、捜索、発見、追跡、格闘などの過程を経なければならず、捕える確率は非常に低いといわれています。一つ間違えれば逆襲されてひどい目に合ったり、うまく逃げられることもあるでしょう。
子供の頃の遊びは真剣であり、遊んでいるうちにエスカレートして大喧嘩をする光景がよく見られます。ノーマルな性格の犬なら、走っている馬や人を見れば本能的にそれを追跡するでしょう。
ドイツ・シェパード犬の始祖となったホーランド・v・グラーフラートSZIは家の横を走る列車をその都度追跡しました。
追跡は相手が速ければ速いほど本能がかき立てられ、いつの間にか獲物を追跡している錯覚に陥り猟欲は時を経るに従って興奮の度合いを増すでしょう。
狩猟の体験者ならよく理解されるはずです。人が追う場合はその目的がよく分かっていますが、残念ながら彼らにはそこまでの判断はつきかねます。
犬のそばを、恐ろしいからといって走り抜けるのは、追いかけてきなさいというのと同じです。
